少し前、アニメの第一期が終了しました。
あらすじは、説明するまでもありませんが、「健康で文化的な最低限度の生活をいとなむ権利」、所謂、衣食住と引き換えに、公安機関のデビルハンターとなった少年デンジが、悪魔と血みどろの戦いを繰り広げる物語です。
デンジは、マズローの5段階説で言うところの、最低限の欲求も満たされていません。
志も低く、衣食住が保証されると言われただけで、よく考えもせず危険な世界に身を投じます。
そんなデンジが、周囲の個性的な仲間との関わりの中で、精神的にも成長していく姿が、本作のもう一つのテーマです。
バディ(パワー)の胸を揉みたいというプリミティブな欲求だけをモチベーションに、血塗れになって、命を削って戦うデンジは、崇高な理念を振り回す悪魔よりも、むしろ純粋でカッコよく見えるから不思議です。
命を削って悪魔と戦うモチベーションを、性欲だけに求めていたデンジですが、それが満たされると、次に仲間の気持ちを思いやる一段階上位の感情が芽生えてきます。
悪魔も恐れる、デンジの狂気じみた潔さが、人間的な成長の過程でどう変化していくのか、優しさと強さが、どう折り合いをつけていくのか、今後の展開が楽しみな快作です。