主人公を演じたブリー・ラーソンが「ルーム」でブレイクするちょっと前、2013年の作品ですが、Tomatometer98%、Popcornmeter91と高評価を得た作品です。
虐待などで家にいられなくなった未成年を保護する施設で働く主人公と子どもたちの物語ですが、主人公自身も子どもたち同じ過去を抱え、恋愛結婚出産といったプロセスに踏み込めず苦悩しています。
主人公や他の同僚も専門資格があって働いているというよりは、NPO職員的な位置づけのように見えます。
ちなみに、「MR.ROBOT」でブレイクする前のラミ・マレックも新人職員役で出演しています。
タイトルのとおり、年齢制限のある短期間(short term)の収容施設なので、子どもたちの多くは、問題解決に至らないまま退所を迎えざるを得ません。
自身と同じような境遇に感情移入しながらも、職員たちは、退所後の子どもたちのその後の人生を知る由もなく、限られた時間で、精一杯サポートするしかないジレンマを抱えています。
特殊な環境に置かれた子どもたちの日常が描かれているため、心動かされながらも、安全な場所に身を置く自分自身が偽善的に思えてしまいますが、ドラマティックな演出を避け、子どもたちの日常を淡々と描くことで、見る者の心を動かし、問題に目を向かてもらうことに成功している良作です。