
「オッドタクシー」「ホウセンカ」と、良作を連発している此元和津也脚本により、昨年TV東京で放映されていたドラマです。
本作も、伏線を張り巡らせた緻密な脚本が魅力です。
山田杏奈さん演じる水町と彼女に思いを寄せる都成(水上恒司)を主人公に、ハンバーガーショップ「シナントロープ」で働く8人の若者を中心に物語は展開します。
店に強盗が入ったことをきっかけに、彼らの日常が思わぬ方向に進んでいき、秘められていた闇が徐々に明らかにされていきます。
8人以外の登場人物たちも、それぞれ強烈な個性を放っており、彼らが複雑に絡み合いながら伏線を張っていく構成です。
目まぐるしい場面展開と、複雑に絡み合った群像劇をテンポ良く見せるため、場面が転換する度に前の場面のセリフを引き継いでいく、ある種の言葉遊びが仕掛けられています。
ヒップホップのように韻を踏む心地よさを感じながら、視聴者を飽きさせない効果的な仕掛けとして機能しています。
様々な出来事が、因果応報、原因と結果で繋がっている、というコンセプトなのですが、本作の面白さを伝えること自体がネタバレになってしまいそうなので、「オッドタクシー」と「ホウセンカ」に魅入られた人であれば、先ずはご覧になられることをお勧めします。
複雑でわかり難いストーリーを想像してしまいますが、イダログのような高齢者にも伏線と回収の面白さが味わえるのが、此元脚本の見事さでもありますのでご安心を。
「ホウセンカ」のような暖かみのある余韻を残してくれる作品ではないのですが、群像劇、ミステリー、コメディーと様々なジャンルの魅力が見事に融合されていて最後まで目が離せません。
12エピソードは中だるみすることなく、最後のオチまで一気に疾走し、”物語の面白さ”を味わわせてくれます。
