ザ・ゲスイドウズ

画像引用:Amazon

音楽映画、とくにパンクな作品には無条件で惹かれてしまう、中二病のイダログです。

昨年公開され、現在Amazonプライムで配信中の本作は、ザ・ゲスイドウズという売れないパンクバンドが、田舎に移住し、曲作りの傍ら補助金をもらいながら農作業を手伝うお話です。

他の方のレビューにもありますが、長編のMVを見ているようで、さしたるストーリーはありません。
それなのに心を揺さぶられてしまうのは、畑、おばあちゃん、畳の上での演奏、味噌汁とご飯などなど、およそロックとはかけ離れたオフビート感の中に散りばめられた、音楽や映画へのオマージュがロックオタクの心をくすぐるからでしょうか。

バンドのボーカル兼フロントウーマンのハナコを演じる夏子さんは、宮崎あおいを思わせるような存在感を放っています。
バンドのメンバーを演じる他の俳優さんたちも、メジャーな映画ではみかけない人たちばかりなのですが、皆さん良い味を出しています。

26歳の誕生日を迎えたハナコは、1年後の27歳での死(27クラブへの加入)を確信しています。
ロックオタクにありがちな青臭いナルシズムですが、つい共感してしまいます。

最初は、騒音を垂れ流すだけだったバンドですが、ロックの神様にインスパイアされたかのようなハナコの曲によって、殻を破るきっかけをつかみます。
KYONOさんの手によるサントラはAppleMusicでも配信されていますが、テンションの上がる素晴らしい楽曲です。

日本では、米国のようにラッパーが撃ち殺される危険もなく、27クラブのメンバーのように創作と引き換えに命を削ることもマレですが、”日本ならでは”のパンクだって捨てたもんじゃないと思わせてくれる、愛おしい愚か者たちを描いた快作です。

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