サピエンス全史 / ユヴァル・ノア・ハラリ

画像引用:Amazon

評判も高く、以前から気になっていた書籍ですが、
気合を入れて向かい合わなければならないようで、何となく今まで腰が引けていました。

率直な感想としては、特段の難解さもなく、話の運びも丁寧でわかりやすく、
池上彰さんの解説を聞いているようです。

世界史の教科書に載っているような、いつ・どこで・誰が・何をしたかではなく、
人類という生物の種が、何故ここまで繁栄したのか、についての根拠を、
マクロ的な視点から解説しているのが本書の斬新な点です。

狩猟採集社会から、農耕社会へ変化したことにより、
人類が土地に定着し、それが人口の爆発的な拡大を招き、
拡大した人口の組織化が国家体制を生み、
意図的な不平等、所謂ヒエラルキー(インドのカーストやアメリカの奴隷制度等)が
体制の維持、安定化に寄与してきたことが、
人類の進歩のプロセスとともに明らかにされています。

ハラリ氏の語り口は、きわめて公平さを保っており、自説を展開しつつも、
常に異なる論を並列させることにより、自説の客観性を担保しています。

すみません。ちょっと何言ってるかわからない、ですよね。

簡単に要約しきれませんので、時間に余裕がある時に、
知的好奇心を満たしたい人にお勧めの一冊(正確には上下二巻)です。

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