ならず者一家に育てられ、親代わりのボスを裏切った男が、炭鉱事故で男を亡くし、女だけが残された街に流れ着きます。
復讐に憑りつかれたボスが、男を匿った町の住人を皆殺しにしようと町に迫ってくるという話です。
伝統的な西部劇のスタイルを踏襲していますが、同じ監督のクイーンズ・ギャンビット同様、女性が主役です。一人ではなく、町の女性たちの群像劇です。
物語の展開は、シェーンのような伝統的スタイルですが、
古き良き西部劇と違うのは、登場人物達のキャラが立っていて、
現代的な性格描写がなされている点でしょうか。
とりわけ、ならず者一家のボスは、子供も殺すような冷酷な悪党ですが、
一方筋が通っています。
相手がどんな異常者であろうと、自身を頼ってくる者は家族と見做し、
平等に扱うリーダーとしての姿勢は絶対にブレません。
ワンピースの白ひげを、純粋な悪党にした感じです。
ヴィランのキャラがしっかりしていると、作品全体が引き締まります。