Netflixによるスパイ映画の大作ですが、TOMATOMETERは46%と散々な評価です。
過去の成功作の”生ぬるい食べ残し”を集めたような作品と評されています。
じゃあ、つまらないかと言うと、決してそんなことはありません。
AUDIENCE SCORE 91%の高評価からもわかるとおり、食べ残しだろうと何だろうと、面白いものは面白い!です。
元犯罪者を集めたCIAのとある組織に属するグレイマン(ライアン・ゴズリング)が、ミッションの途中で組織の違法行為を知ったことにより追われる立場となりながらも、恩義のある元上司の苦境を救うため奮闘するお話です。
原作の「暗殺者グレイマン」も良いのですが、映画化された本作の方が、よりキャラクターの輪郭がクッキリしていて、躍動感が感じられます。
とりわけ、グレイマンを演じるライアン・ゴズリングが良いです。
どの映画でも、何となくやる気がなさそうな雰囲気を醸し出す俳優さんですが、本作でも、飄々としていながらも、暖か味を感じさせる役どころです。
それでいて、敵との戦いは常に肉弾戦で、傷だらけになりながらも、決してあきらめないファイターの一面とのギャップが、新しいヒーロー像を感じさせます。
確かにジェイソン・ボーンの二番煎じかもしれませんが、ゴズリングのおかげで新鮮さが感じられます。
アナ・デ・アルマスは、どの映画で演じても、アナ・デ・アルマス以外の何ものでもありません。
存在しているだけで華があります。
そしてもう一人の主役、サイコパスなヴィランを演じているのがクリス・エバンズです。
品行方正なキャプテン・アメリカとは打って変わった”いかれっぷり”が清々しく、むしろこんな役の方がお似合いではないかと思わせるほどのサイコパスぶりです。
今を時めく3人が、最高の存在感を放っている以上、つまらないはずがありません。
アクション映画本来の面白さを存分に味わえる良作です。