私同様、MCUは「エンドゲーム」で卒業したと言う人も多いと思いますが、「GotG」は別格です。
「GotG」と”音楽”は切っても切れない関係にありますが、本作でもまた音楽は重要な役割を担っています。
RADIOHEADの「Creep」をバックに、ロケットのアップから幕を開ける本作ですが、この最初のシーンだけで、物語のテーマや空気感が伝わってきて、胸が締め付けられます。
傷ついたロケットを救うため、彼の創造主であり強大な敵(ハイ・エボリューショナリー)に挑むスター・ロードとGotGの面々の姿を描くとともに、ロケット誕生の秘話も明かされます。
ハイ・エボリューショナリーに囚われていた頃のロケットと異形(creep)の仲間たちの絆は、時にファンタジーのような演出で描かれ、切なさが涙を誘います。
漫才のような掛け合いを見せるドラックスとマンティスのカップルをはじめ、脇を固めるキャラクターたちも、個性的で愛すべきはみ出し者ばかりです。
VFXやCGに頼った派手なアクションばかりを売りにすることなく、ちゃんと物語や演出で見る者を感動させてくれるのが、ジェームズ・ガン監督のすばらしさです。
また、ガン監督のはみ出し者や異形の者への優しい眼差しは、多様性へのメッセージでもあります。