Netflixオリジナルとしては、「ストレンジャー・シングス」に匹敵するほどの傑作です。
映画「アダムス・ファミリー」の長女ウェンズデーを主役に据えたスピンオフですが、本作を楽しむ上では未見でも支障ありません。
見ていた方が、多少細部のオマージュを楽しめる程度です。
ジェナ・オルテガ扮するウェンズデーは、人間が通う学校で問題を起こし、かつて母親が卒業した、”のけ者(outcast/人狼とかヴァンパイアとか魔女とか)”が集う寄宿学校に転校させられます。
そこで起こった殺人事件の解決にウェンズデーが挑みますが、謎解きを軸に、恋や友情、親子の問題、人種的偏見等が味付けされ、「ハリー・ポッター」を思わせる良質なファンタジーに仕上がっています。
「ストレンジャー・シングス」同様、脇を固めるキャラクターも丁寧に描かれていますが、ウェンズデーに扮したオルテガの存在感があまりにも強すぎて、どうしても彼女の一挙手一投足ばかりに目を奪われてしまいます。
終始不機嫌な仏頂面で、瞬きすらしないウェンズデーは、口を開けば毒舌ばかり。
周囲の目など一切気に掛けず、終始自分の信じる道を突き進みます。
ところが、周囲との絆など無視しているようなウェンズデーですが、心の奥底では人との関わりを求めている様子も垣間見られます。
時折、そんなへそ曲がりで強情な性格を周囲から指摘されることがあるんですが、そんな時の、心の動揺を押し殺そうとする、ばつの悪そうな表情を、微妙な目の動きと顔の表情の変化だけで表現するオルテガは、まさに天才です。
ちなみに、ネット上でも話題になっていますが、エピソード4でのダンスシーンは秀逸です。
「パルプフィクション」のダンスシーンにも匹敵するような印象深いシーンです。
シーズン2への期待を持たせて終わりましたが、「ストレンジャー・ソングス」同様、Netflixのドル箱になりそうです。