マーダーボット・ダイアリー / マーサ・ウェルズ

画像引用:Amazon

システムの暴走により、人間を殺戮した過去を持つロボットが本作の主人公です。
しかも、ロボットの一人称による展開が斬新です。

主人公が、自己をハッキングすることで自由の身になり、
過去の殺戮の真相を探っていくんですが、
人間や他のロボットとの関わりの中で、徐々に内面に変化がもたらされます。

感情を持たない機械が、デジタルの世界でどう考え行動するか、
人間をどう対象化するか、というSF的なテーマとともに、
主人公の中に、徐々に感情らしきものが形成されていく過程からは、
アニメ作品のようなほのぼのとした暖かみが感じられます。

デジタル用語も慣れれば気にならなくなりますし、
なにより、テンポの良さと、魅力的な主人公のおかげで、
時間を忘れて読み進むことができます。

ちなみに、不思議なことに人間よりもロボットたちの方が、
より魅力的に見えてしまいます。

面白さという点では「三体」以上の傑作だと思うんですが、
何故SF小説の文庫本は、子供っぽい表紙ばかりなんでしょうか。
表紙に惑わされず、試してみることをお勧めします。

SFとしても、ミステリーとしても、人間(?)ドラマとしても、
大変よくできていますので、いずれ映画化されそうな予感がします。

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