イーロン・マスク 未来を創る男 / アシュリー・バンス

画像引用:Amazon

イーロン・マスクの軌跡や人となりについて外部のライターが書き起こした書籍ですが、
ビジネスの参考になるかと問われると、ちょっと返答に困ります。

名立たる起業家に纏わる書籍では、ビジネスに対する姿勢や方法論、人材管理等について、
私のような凡庸なビジネスパーソンでも参考になるヒントが示唆されているのが常ですが、
マスクに関しては、やや例外かもしれません。

本書はマスクの生い立ちから書き起こされていますが、
明らかに特別な資質を持って生まれた人(書中では「ギフテッドチャイルド」と言う言葉が使われています)のようです。

組織を機能させたり、仲間とのチームワークで苦境を切る抜けるようなタイプではなく、
全てを自分自身で掌握し、マスクが超速で突っ走る背中を仲間が必死で追いかけることで、
ビジネスが成り立っているように思われます。

周りの皆が、何時切り捨てられるかわからない、とビクビクしている様は、
織田信長と家臣の関係を思い出させます。

優れた人材を発掘する能力は人一倍高い一方、
不要と判断したら容赦なく切る捨てるような冷酷さを発揮しますが、
冷酷と言うよりも、サイコパスのような振る舞いが目に付きます。

長い年月仕えてきた部下であっても例外ではなく、
不要と判断されたが最後、「もう、来なくていい」の一言で切り捨てられています。

但し、マスクを突き動かす熱量は、異常とも言えるほど過剰で、
テスラにしろスペースXにしろ、幾度となく破産の危機に瀕しながらも、
異常な執念でひたすら前に進み続けます。

自分自身に対しても容赦がなく、ワークライフバランスなど無視して、働きづめに働きます。
出張しても高級ホテルは使わず、事務所や倉庫で寝たり、突然友人の家に転がり込んだり、
といった生活を未だに続けているようです。

マスクが本当にイノベーションを起こしているのか、
ただ単に、超速で課題を達成しているからそう見えしまうのか、
もう少し結果を見てからでないと断じることはできないようにも思えます。

マスクが思い描いている、EVや太陽光で人類が救われるのか、
火星に移住することで人類が破滅の危機を免れるのか、
その結果が判明するにはもう少し時間がかかるのかもしれません。

ジョブスとはまた違う、異常に強い個性を持った「超人」を知る手掛かりとしては、
最適な書籍と思います。

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