日本文学

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どうしても生きてる / 朝井リョウ

画像引用:Amazon 朝井リョウ氏による、2019年発刊、全六編の短編集です。 どの短編の主人公も人生に閉塞感を抱いています。日常に潜む死を意識することで、生への実感を得ようともがく者。信念を貫けず生きてきたことへの後ろめたさを抱えながら...
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ババヤガの夜/王谷昌(再掲)

画像引用:Amazon 2021年に記事にしましたが、先ごろダガー賞受賞が報じられていましたので再掲します。イダログに先見の明があったという、プチ自慢です。 ”ババヤガ”という言葉は、「ジョン・ウィック」の中で頻繁に聞かれます。字幕では”闇...
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死んだ山田と教室 / 金子玲介

画像引用:Amazon 第65回メフィスト賞受賞作です、 飲酒運転の車に跳ねられ死亡したはずのクラスの人気者「山田」が、校内放送のスピーカーを通して、クラスメートと声だけで交流する話です。序盤は、「山田」とクラスメートの間抜けな会話の応酬が...
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熱源 / 川越宗一

画像引用:Amazon 歴史小説ですが、本流ではなく、サイドストーリーで活躍した人々の物語です。民族としてのアイデンティティが、歴史の荒波に飲み込まれて消えそうになる中、彼らが必死で抗う姿が描かれています。 中心になる人物は、白瀬中尉の南極...
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成瀬は信じた道をいく / 宮島未奈

画像引用:Amazon 「成瀬は天下を取りにいく」に続くシリーズ第二作です。 本シリーズの魅力は、何と言っても"成瀬あかり"という無双のキャラクターにあります。 正編がヒットすると、その続編は、ややレベルが落ちることが多々ありますが、本作に...
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スウィングしなけりゃ意味がない / 佐藤亜紀

画像引用:Amazon 史実を基にしている作品と知って驚きました。ナチスドイツ統制下では、全ての国民が洗脳されていたとばかり思い込んでいましたが、本作に登場するような反体制勢力もいたんです。 実際は、勢力と呼べるような組織的な動きではなく、...
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成瀬は天下を取りにいく

画像引用:Amazon 書評やレビューの評判にそそられたのと、たまたま作品の舞台となっている滋賀県に出張が入ったため読んでみました。滋賀県って、九州の人間にとっては、琵琶湖に人が住んでいるの?程度の知識しかないため、本作で空気感だけでも感じ...
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黒牢城 / 米澤穂信

画像引用:Amazon 普段は愛読していない作家さんなんですが、本屋大賞受賞に加え、歴史小説と推理小説の融合という発想に惹かれて読んでみました。 黒田官兵衛が、荒木村重の城に幽閉された有名な史実が作品の舞台です。 織田の軍勢が迫らんとする有...
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流浪の月 / 凪良ゆう

画像引用:Amazon 心優しい小児性愛者の若者と、彼に誘拐された孤独で風変りな少女との奇妙な絆を描いた物語です。 ショッキングなテーマを、小説らしく、美化して描いてるとの批判的も見られますが、主人公二人に象徴される、生きづらさを抱えた人々...
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夜空に泳ぐチョコレートグラミー / 町田そのこ

画像引用:Amazon 文学作品で新しい作家と出逢うのは久しぶりです。昨年、本屋大賞を受賞した町田そのこさんの、本作はデビュー作にあたる短編集です。 それぞれの短編の主人公が、別の短編でも登場する、所謂連作になっています。いずれの作品も、心...